2016年05月13日
4年B組(旧3年A組)高橋悠太(たかはしゆうた)君の作文が「第55回 国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト」(主催:外務省 他)で、特賞「日本ユネスコ協会連盟会長賞」(全国3位)に選ばれました。その副賞として2016年春、外務省の「奥・井ノ上記念青少年国連視察団」の一員として、外務省や米ニューヨークの国連本部を訪問してきました。そのレポート文を紹介いたします。
平成27年度 奥・井ノ上記念日本青少年国連訪問派遣団 報告
2016年3月21日(月)~3月27日(日)
盈進中学校3年 ヒューマンライツ部 高橋悠太(たかはし ゆうた)
「もう誰にも自分と同じ思いをさせてはならない」。この言葉が私の原点だ。
これは復讐や敵対を越えた素朴で崇高なヒロシマ・ナガサキの被爆者の思想だ。日本被団協代表委員・坪井直先生。彼は8月6日、爆心地から1,2km地点で被爆。現在も、手足、背中からおしりにかけて火傷が残る。薬も毎日数種類飲む。愛し合った女性と一度は死のうとまでした。しかし生きのび教員に。退職後は全国で講演をされている。このような被爆者の命がけの運動の上に私たちの平和な日常はある。彼の口癖は「Never give up!」。それが彼の核廃絶への思想であり、鉄よりも固いヒロシマの魂だ。
私はアメリカ政府代表部で彼のことを紹介した。たどたどしい英語ながらも、相手は理解してくれ、「nice English」と返事をしてくださった。坪井先生をはじめ、ヒロシマ・ナガサキの被爆者のことを世界に発信できたことは、大きな感動となり私の胸に迫ってきた。そして私たちには彼らの思想を世界中に、また人類の未来に伝える責任があるのだと感じ、背筋が伸びた。
教育。これが今回の派遣で、私は最も大切だと感じた。世界には教育を受けられない子どもたちがたくさんいる。私はその現状を打破したいとUNESCO職員に尋ねた。彼は答えた。「日本の教育はすばらしい。でも『日本は恵まれている』という意識を持っている人は少ない。だからこの意識を広めてほしい。教育は飢餓や戦争をなくすことにつながる」。
私は教育こそ平和の第一歩だと考える。教育が普及すれば貧困や紛争はなくなり、世界はきっと平和と幸せであふれる。私は将来教育を普及させる。そして多言語に訳された被爆者の方々のメッセージを誰もが理解できる、そんな質の高い教育プログラムを確立する。
そのために私は、今回の派遣を糧に、勉強できることに感謝し「使える」英語を学び、多くの人とつながる。自分で調べ、考察し、自身の思想を築く。そして教育を普及させ、世界平和に貢献したい。