2020年04月03日
菅龍人校長先生が退任し、今年度から新しく延和聰校長先生となりました。
1学期始業式の延校長先生のあいさつを掲載します
☆以下、あいさつを掲載(一部短縮)
【始業式のことば】
テーマ「思いやりをもって、自分と仲間を大切にする」
生徒のみなさん、おはようございます。今日から、菅校長先生から私、延が引き継ぎます。
116年の伝統校、私学盈進の伝統に恥じないよう、すべての先生方と力をあわせ、みなさんの健康と安全を守ります。そして、みなさんの能力と可能性が存分に発揮されるように、菅校長先生から学んだことを胸に、「盈進共育」がさらに発展するよう、努力します。
今日は「思いやりをもって、自分と仲間を大切にする」をテーマに話をします。
新型コロナウイルスの影響でみなさんも心身共に少し、疲れているんじゃないかと心配しています。みなさんも不安で一杯でしょう。会いたい人に会えないのは、本当に辛いですね。だから、出合いを大切にしよう。その時、その時を大切にしよう。
この事態はすぐには終息しません。長期戦です。ですから、不便ですが、大切なことは、ひとり一人がルールを守って、仲間と共に、仲間を気遣い、助け合うことです。
すべての盈進生は、かけがえのない私たちの宝です。こんな時だからこそ、自らの心が試されているんです。大人になるということは、他者を気遣う、特に、社会的に立場が弱い人を気遣うことができるということだと、私は思っています。
みなさん、学校生活で最も大切なものは何ですか。それは「仲間」だと、私は信じています。かけがえのない仲間がいれば、学校に行きたくなる。悩みも相談できる。だったら、勉強だって、授業だって、クラブだって、行事だって絶対に楽しい。
この新学期は新校舎2年目です。これまで通りの仲間に加えて、新たな仲間をつくって、互いに刺激し合い、競い合って勉強して、学習に、クラブに、どんどん積極的にチャレンジして下さい。
6年生の諸君。決して自ら建てた目標をあきらめることなかれ。日々、ひたすら、仲間と先生たちを信じて努力し、目標を、自らの力でつかんでほしい。新校舎を、また、図書館を存分に使って、進路をつかんで下さい。
5年生諸君。真の学校のリーダーとなる学年です。新しい盈進をつくって下さい。リーダーシップを発揮して下さい。頼みます。
みなさん、建学の精神「実学の体得」にしたがい、「いかなる時代であっても社会に貢献する人材となる」ために、自分はどんなひとになるか、どんな職業に就いて、どのように社会に貢献するかを、常に考えて下さい。将来のことを仲間と話して下さい。そして、進路目標は、『輝く先輩』の冊子や中学棟に拡大して掲示してある『輝く先輩』をよく読んで、また、一つの指標として「大学偏差値ランキング表」も参考にして、現在の自分の実力より、最低でもワンランク上、それ以上の目標を建てて、日々努力しよう。
そのためにも、そして、こんなときこそ、本を読もう。仲間と競って、学校では、盈進図書館「みどりのECL」で本を借りてください。盈進図書館「みどりのECL」には、新刊本が6000冊あります。世界の絵本もあります。私は全部読みたいです。本は必ず、私たちに「どう生きるか」というヒント、つまり、 毎日を豊かに生きるヒントを授けてくれます。
みなさん、本や新聞から、何らかの「答え」をもらうのではありませんよ。答えを探すために、本や新聞を読むのではない、と私は考えます。
本や新聞は、私たちが日々、充実した毎日を生きるために「自ら考えるヒント」を授けてくれるのです。だから考えること、探究することが楽しくなるんです。だから盈進図書館「みどりのECL」で本を借りて、また、新聞を読んで考えるんです。中学生は盈進中学独自の「読書科」で読む本を、これまで以上に丁寧に読もう。
一昨年の「ホンモノ講座」。「カリスマ英語講師」の安河内哲也先生に私はこう、尋ねました。
「英語の4技能。読む、書く、聞く、話す」の中で、最も大切な要素はどれですか」。先生はこう、おっしゃいました。「それは、『聞く』です。リスニング力が、これから大きなカギとなります」
英語で聞いて、理解できたら楽しいですね。私は学生時代、ロンドンで、アパートを借りようとして、2日間、借りられなかった苦い思い出があります。相手の英語が早すぎて聞き取れず、頭が真っ白になってしまいました。君たちにはそんな思いをしてほしくありません。
先が見えないこの新型コロナウイルスの問題は、国境を越えたグローバルな現代が避けては通れない、国境のないグローバル現代自体が引き起こした矛盾だと、私は思います。だから、最後に、もう一度、みなさんに伝えます。いまこそひとり一人、みんなが、ひとりの人間として、毎日をどう過ごすか。私を含めて、自分自身が問われています。
互いに思いやりをもって、これまで以上に、自分と仲間を大切にして、日々を丁寧に過ごしましょう。