2022年05月09日
イスラエル大使来校
4月28日(木)にイスラエルのギラッド・コーヘン(Gilad Cohen)駐日大使が来校されました。本校はこれまで地元にあるホロコースト記念館を訪問し、生徒によるボランティアガイドや「中高生平和サミット」での活動を通じて、学びを深めてきました。ホロコースト記念館大塚理事長は訪問の度に、本校生徒に対し、アンネの父、オットーフランクさんとの出会いや平和の大切さを熱く語ってくださっています。その出会いをもとに、ヒューマンライツ部OGが絵本「明日へつなぐ 平和のバトン」を作成し、学習の際は必ず生徒による朗読を行ってきました。そうした地域との長い時間をかけた厚い信頼の中で、今回のイスラエル大使の来校が実現することとなりました。
大使は広島の原爆資料館訪問後、当日がホロコースト犠牲者追悼記念日に当たるため、福山市御幸町のホロコースト記念館に赴き、午後より本校を訪問されました。
生徒たちの熱い歓迎を受け、約2時間半の交流を行いました。会場の多目的ホールには生徒会執行部、ヒューマンライツ部、剣道部、弓道部、音楽部をはじめ中学3年生約120人が集まりました。
今回のセレモニーは実行委員約30名が積極的にかかわり、交流会の最初から最後まで生徒自身がすべて英語で行いました。ホロコースト記念からお借りした「アンネ・フランク展」の展示、案内はじめ、様々な形での事前学習を基に、生徒自らが大使をお迎えする準備を行っての当日となりました。コロナ感染予防対策上、他学年の生徒は各教室においてリモートによる参加となりましたが、事前に全校生徒から寄せられた質問アンケートを厳選しての質疑応答の際には、教室で熱心にメモを取る姿が見られました。
交流会は音楽部の演奏“Matsuri”でお迎えしたのち、ホロコースト犠牲者に全校で黙祷を捧げることから始まりました。生徒会・英語研究部・剣道部の生徒によるAll English での司会進行に、大使も通訳を挟むことなく、大きくうなずかれていました。
英語での学校紹介の後、剣道部、弓道部によるデモンストレーションでは日本の武道の精神を伝え、その迫力に圧倒され、大使自身も日本の相撲に大変興味があることを話されました。
大使からは全校生徒へ、イスラエルの子供たちのこと、ホロコーストのようなことは決して繰り返してはならないこと、平和の大切さを大使自身の力のこもった言葉で伝えられました。
生徒を代表しての質疑応答も英語で行われ、ロシアのウクライナ侵攻が続く情勢や、イスラエルの人々の救援活動なども説明されました。3人の子供をお持ちの大使は、イスラエルの子供たちの生活や特性についても触れられました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、生徒たちの感想文には大使の人柄、母国愛、仕事に対する情熱、国際情勢に関するものから、同行された報道官、通訳、SP、県警の警備まで多岐に渡る内容が書かれています。
以下 生徒の感想です(抜粋)
「私はイスラエル大使のお話を聞いて、人類の歴史における最も恐ろしい出来事であるホロコーストを語り継いでいくこと、また、その悲劇から得られた教訓を忘れずにこれからの生活に生かしていくという姿勢をすごく大切にされているんだなと思いました。
「人類にとっての未来」「虐殺から得られた教訓」「他人に対して寛容であること」「平和の大切さ」「自由の大切さ」「戦争が引き起こす悲惨な結果」「ひとつひとつの歴史から学び、教訓を得る」「助けたい」
たくさんの私たちにとって大切な教訓がありました。
「その人が誰であろうと、どんな宗教に入っている人であろうと、誰か困っている人がいたら助ける信念」という言葉が深く心に残りました。イスラエルという国、また、国民の寛容さを日本人も見習っていかなければいけないと感じました。」(高校5年生)
Thank you for coming to our school Eishin today.
When I was listening to your story, I became interested in Israel and its culture.
Then I also thought that the war between Russia and Ukraine must be stopped now.
I want you to finish this war as soon as possible and I don’t want anyone to be killed by any war. I thought it was very important to recognize or understand each cultures.
Please come to our school Eishin again!! (中学校2年生)
大使は『私たちが歴史を語り続けます。』と約束し、また『君たちこそが未来 そのものです。』と結ばれました。
この日は、盈進の長い歴史の中でも非常に価値のある「平和」を希求するための全校での取り組みとなりました。イスラエル大使館、ホロコースト記念館はじめ、この日の実現に携わってくださったすべての方々に心より感謝しつつ、「平和のために何かができる」人となるよう学び続け、これからも地道に謙虚に活動を続けていきます。