2024年03月08日
2月22日(木)、ホンモノ講座を実施しました。今回は慶應義塾大学環境情報学部部准教授・大木聖子先生が来校され、「災害大国に生きる―あの日に戻れたら―」と題して、地震の基本知識や防災について話してくださいました。
大木先生は高校生のときに、阪神淡路大震災の被害をニュースで見て、地震学者を志し、大学では地球物理学を専攻されました。その後、東京大学やカリフォルニア大学で学ばれた後、東京大学地震研究所を経て、現在は慶應義塾大学で教鞭をとっておられます。本校OGで、慶應義塾大学に進学した山本真帆さん(現中国新聞記者)の恩師であることを縁に、今回盈進に来校されました。
おはなしの前半は地震のメカニズムやマグニチュードの考え方について、スライドを使いながらわかりやすく説明してくださいました。お話の中で、東日本大震災の後、もっと防災のためにできたことがあったのではないかと苦悩されたこと、そして、その教訓から現在でもさまざまな人に防災の正しい知識について伝えていることについて触れられ、私たちに「正しい防災のあり方」を語ってくださいました。さらに1月に発生した能登半島地震の映像や被災された方の声などをもとに生徒たちにわかりやすく具体的に話をしてくださいました。瀬戸内に住んでいる私たちにとっても、地震や津波は十分あり得ることだという話をされたときには、生徒も少し引き締まった表情で聞いていました。
質問コーナーでは、被災者の方の心的外傷にどう対応すべきかなどの質問に対して、具体的な例も交えながら、わかりやすく答えてくださいました。科学の知識とこれまでの災害を重ね合わせながら答えてくださる姿に生徒も真剣に耳を傾けていました。
後半の座談会では、より詳しく防災について説明してくださいました。
私たちの暮らす地域では避難訓練は校庭に急いで集合することが大切だとされていましたが、大木先生によると学校校舎は基準よりもずっと地震に強い作りになっており、建物の中にいる方が安全だということです。また、渡り廊下が危険だということも話され、これまで私たちが常識だとしていたことが本当に正しかったのかと見直す機会となりました。
生徒の防災意識が高まった一日でした。
今日をきっかけに防災のありかたを見直し、来年度から正しい防災訓練に取り組んでいきましょう。