私は国連派遣通じて教育の重要性を痛感した。PEACのサイドイベントにオブザーバーとして参加した際、1人の女性が「私は原爆が戦争を終わらせたと教わってきました。だから、実際に広島を訪れ、実相に触れ、とてもショックを受けた」とおっしゃった。女性は現在、PEACで平和活動に参加し、非核化を訴えている。教育は一歩間違えれば恐ろしい。実際、戦中の日本の教育も戦争を美化したのだから。私は、自らが“学ぶ意欲”を持ち、自分で正しい情報を判断することが大切なのだと感じた。
長崎の被爆者・木戸季市さんは「核兵器廃絶は今を生きる私たちの役目だ」とおっしゃった。私はこの言葉に心から共感する。英語力を高め、学習を重ね、仲間とともに核なき世界に向けて地道に謙虚に行動すると誓った。
私はこの派遣で、私たち若者こそが、国境や立場を超えてつながり、核廃絶のために活動することで、世界市民を動かすエネルギーを発揮すべきだと実感した。国連内でNGOセッションを傍聴した時だ。最年少の女性が力強く核廃絶を訴え終わった瞬間、それまで静かだった会場が拍手喝采の渦となった。若者だからこそのパワーで、多くの人のこころを感動させたのだ。私も彼女と同世代。私たちにもパワーがあると確信する。そのパワーは、世界市民の核廃絶の活動を必ず広げるだろう。
私たち若者には被爆者の証言を後世に残し伝える義務がある。私は、これからも被爆証言を記録し、それを英語に訳して、世界の人々に、とりわけ無限のパワーを持つ若者に向けて核廃絶の魂を発信していくと決意した。